実際の改造作業

本機はかなり大掛かりな改造のため、内部はAC電源まわりの配線を除いてほとんど一旦パーツを取り外しました。

そこまでやってみて、若かりし頃の当時、何を考えてこのようにしたか色々解ってきたこともあります。

以前から見た目を重視する自分がなぜケミコンバンドを表に出して組み立てたのか、外してみて解りました。




ブロックケミコンを外して穴を広げた。右はφ35mm、左2つはφ30mm。チョークコイルもしっかり再塗装。


 

 

ブロックケミコンは通常φ35mm前後の穴をあける必要がありますが、当時大きな丸穴はシャーシーパンチしか持っていなかったため、さすがに2mm厚のアルミにφ35mmの穴あけは厳しかったんだと思います。(他の大きな穴はハンドニブラであけた記憶が・・・)

そこでφ25mmの穴で妥協し、ブロックケミコンの足だけを内部に入れたと思い出しました。

このままだと足が少しシャーシーのフチに近くて危ないので、もう少し穴を大きくすることにしました。

但し密集して配置しているため、φ35mmまで大きくすると隣が近すぎて強度に不安があるため、一番背の高い右側の1本だけ高さを揃えるためφ35mmまで穴を広げてケミコンバンドをシャーシー内側にし、あとの2つはφ30mmまで広げて今まで通りに取り付けることにしました。


チョークコイル交換

以前、サビサビで状態が悪かったのでチョークは少しマシなものに交換していましたが、その交換後のチョークもサビが少し増えてきて、みすぼらしくなってきたので、以前外しておいたチョークを再塗装し、また載せ替えました。

今度はしっかり錆止めサフェーサーを下地塗りしてからホコリが目立たないように薄いグリーン系の塗装をしていますので、余程のことがない限り錆びたりしないと思います。




● ● ●


ボリューム追加

ボリュームは在庫の中で音の良さそうなコスモスのRV24YN型2連バリオームを使いました。

このバリオームはアルミシャフトではく、切るのは骨が折れそうですので、アルミアングルを作って位置を調整して取り付けています。


インピーダンススイッチ追加

リアパネルにはインピーダンス切替用のロータリースイッチを追加しています。

こちらも新たにアルミアングルを作ってスイッチを取り付けました。この方がリアを見た時、スッキリ見えます。

但しこちらは出力トランスの取り付けビスとの兼ね合いで、取り付け時に困るのでアルミシャフトも切断しました。

出力トランスにせっかく4, 8, 16Ωの出力端子があるので、これで全て使えるようになりました。




チョークコイル、ボリューム、インピーダンススイッチ取り付け後、ほとんどのパーツを外して分解。


 

 



ボリュームはアルミアングルを作って取り付けている。




インピーダンス切替用ロータリースイッチ。アルミアングルを作り、出力トランスのビスを利用して取り付けている。



● ● ●







スイッチ1個だけ変えたら、この通りレバーの角度や長さが合わなかった。




+Bを印加してなくてもプリヒートだけで多少放電する。この程度のガス発光であればとくに気にしなくても大丈夫。


 

レバースイッチ変更

これは完成後に出てきたトラブルなんですが、固定バイアスにしたことで、プリヒート時の漏れ電流が大きくなり、+B電圧印加のスイッチを切っていてもCK1006が動作して270V近く出てしまうため、2回路のスイッチに変更して-C電圧もオン/オフする必要がでてきました。

そこで新たにレバースイッチをOperate側(+B電圧印加側)のみ2回路のものに変えましたが、昭和の時代のものとレバーの角度や長さが違うため、もうひとつのスイッチも結局変更する必要が出てしまいました。

メーカーが同じなら品番が違っていても、だいたい角度・長さが合います。今回は両方ともNKK(旧日開/日本開閉器)のもので買い揃えました。

ところでこの外した古いスイッチ、Heat(電源オン)側にはスパークキラー代わりのコンデンサーを入れていましたが、Operate(+B電圧印加)側は当時、耐圧のあるコンデンサーが見つからなかったためと、CK1006と言うガス入りの特殊な整流管のため、オフでも多少放電してしまうのでスパークキラーを入れていませんでしたが、やはり数十年使ってみると劣化していました。

外したスイッチの接触抵抗を測ってみると数オーム〜数十オームで安定せず、おそらく接点が黒化しています。

やはりできればスパークキラーは入れた方が良いですね。


ディレーティング変更

当時はまだ諸先輩方の言うことを良く聞く真っ当な青年?だったため、抵抗のワット数は実使用の3倍程度に見積もっていました。

それで壊れることはないんですが、CK1006のフィラメント用ドロップ抵抗などは、相当熱くなります。

もちろん全ての抵抗でディレーティングを見直し、実使用の10倍近いワット数に変更しました。

但しその一番気になるCK1006のドロップ抵抗は1本当たり計算上3.28W必要で30W以上のものが欲しいのですが、今どきは売ってないのとスペースも厳しいので、20Wのセメント抵抗を使いました。

現在の抵抗は同じワット数でも昔のモノより小さくできており、それも発熱が増えた要因かも知れません。

昔の金属皮膜抵抗3Wと現在の酸化金属皮膜抵抗5Wのサイズがだいたい同じ位です。(下の写真でブロックケミコン上のレンガ色の抵抗が3Wの金属皮膜抵抗、そのすぐ近くの緑色の抵抗が5Wの酸化金属皮膜抵抗)




改造後の内部。ほぼ原型をとどめていない。元から変えてない配線はAWG16〜18の不必要に太い配線材を使っている。色もJISに合わせていない。バイアス調整用のVR用アングルは再改造を考えてあと2つバリオームを追加できるようにしてある。CK1006用のフィラメントドロップ抵抗は、計算上では左下の白い大きな0.82Ω/20Wのセメント抵抗2本で良いハズだが、実測してみると電圧が高めに出たので、右側に0.2Ω/5Wのセメント抵抗を追加した。


→ 測定結果と試聴